猫と手裏剣

AIサービス プライバシー・セキュリティ定点観測レポート(2026年10月26日)


巡回結果サマリー

サービス ページ 状態
ChatGPT (OpenAI) エンタープライズプライバシー 変更あり
ChatGPT (OpenAI) セキュリティとプライバシー 変更あり
ChatGPT (OpenAI) ビジネスデータの取扱い 変更あり
ChatGPT (OpenAI) プライバシーポリシー 変更あり
Gemini (Google) Geminiアプリ プライバシーハブ 変更あり
Gemini (Google) Workspace生成AI プライバシーハブ 変更あり
Gemini (Google) アクティビティの管理・削除 変更あり
Claude (Anthropic) プライバシーポリシー 変更あり
Claude (Anthropic) プライバシーセンター 変更なし
Claude (Anthropic) プライバシー・法務ヘルプ記事一覧 変更なし
Claude (Anthropic) Trust Center 変更なし
Claude (Anthropic) 透明性ハブ 変更あり
Microsoft 365 Copilot データ・プライバシー・セキュリティ 変更なし
Microsoft 365 Copilot Copilot Chatのプライバシーと保護 変更なし
Microsoft 365 Copilot エンタープライズデータ保護 変更なし

変更内容の詳細

ChatGPT (OpenAI):4ページで変更あり

今週はOpenAIの日本語ページ4か所に変更が検出されました。ただし、差分を丁寧に確認すると、内容はいずれも実質的な方針の変更ではなく、日本語表記の統一・修正です。

具体的には、エンタープライズプライバシーとビジネスデータの取扱いでは、「OpenAI API Platform」という表記が「OpenAI API プラットフォーム」に統一され、「連携済みツール」が「接続済みツール」、「上書き設定」が「例外設定」、「申請の審査」が「リクエストの審査」といった言い換えが行われています。セキュリティとプライバシーとプライバシーポリシーでは、「(新しいウィンドウで開く)」というリンク補足テキストが加わっています。これはUI(画面表示)上の案内追加とみられます。

実務への影響:なし。 データの取扱い方針そのものに変更はありません。


Gemini (Google):3ページで変更あり

今週、GoogleはGeminiアプリ プライバシーハブを10月13日付から10月23日付へ更新しています。このページの変更は量が多く、複数の要素が含まれます。

ひとつ目は「メモリーの要約」機能に関する記述の追加です。Geminiが利用者についての情報(好みや状況など)をある程度記憶・蓄積し、それを利用者自身が確認・編集・削除できる「メモリーの要約」という設定について、新たに説明が加えられました。この機能はオンにもオフにもできると明記されています。

ふたつ目は「ブラウザとアプリにおける権限の選択肢」に関する記述の追加です。Geminiがアクションを実行する前に許可を求める頻度を「許可しない」「今回のみ許可」「このチャットを許可」「常に許可」の4段階で設定できると説明されています。

そのほか、データ活用目的の説明文や、「ウェブとアプリのアクティビティ」「ロケーション履歴」といった設定名の表現が改訂されています。「改良に使用されません」が「改善に使用されません」に変わるなど、多くは日本語訳の調整とみられます。また「Gemini Live の文字起こし」の項目が「Gemini Live の文字起こしとアップロード」に変わり、Gemini Live で共有したアップロードファイルも、アクティビティ保存がオンの場合はサービス改善に利用されると明示されました。

Workspace生成AI プライバシーハブについては、「Gemini in Workspace」という呼称が「Workspace 内の Gemini」に変更されるなど表記の修正が中心です。外部との共同編集時のデータ保護に関する説明も文章が整理されており、内容の骨子は変わっていません。「お客様のデータを契約に沿って取り扱う」「顧客データをモデルのトレーニングに使用しない」というコミットメントの表現も、意味を変えずに整理されています。

アクティビティの管理・削除は、ページ内部の識別子の数値が変わっているのみで、表示内容の変化は確認できません。

実務への影響:「メモリーの要約」機能の追加説明は確認しておく価値があります。Geminiが利用者の情報を蓄積する機能があること、そしてそれを自分で管理・削除できることは、顧客情報を扱う業務でGeminiを利用している場合に意識しておくべき点です。ただし、方針の実質的な変更ではなく既存機能の説明追加とみられますので、直ちに設定変更が必要な事態ではありません。念のため、業務でGeminiを使用している方はメモリー関連の設定を一度ご確認ください。


Claude (Anthropic):2ページで変更あり

プライバシーポリシーと透明性ハブで変更が検出されました。ただし、差分の内容を見ると、変更はいずれもページのナビゲーション構造(メニューや目次の構成)の大幅な再編です。

フッターや上部メニューの項目が整理・再構成されており、プライバシーポリシー本文の最終更新日は「September 10, 2026」から「Sep 10, 2026」への表記変更のみで、更新日付自体は変わっていません。ポリシーの内容そのものが変更されたとは差分から読み取れません。

実務への影響:なし。 サイト構造の整理とみられます。


Microsoft 365 Copilot:変更なし

監視対象の3ページすべてで変更は検出されませんでした。


総評

今週は変更の件数こそ多いものの、利用者が直ちに対応を要する方針変更は確認されていません。OpenAIは日本語表記の統一、AnthropicはWebサイト構造の整理が主な変更です。

Googleについては、Geminiの「メモリーの要約」機能と権限設定に関する説明が追加されました。これは機能説明の充実であり、データ取扱い方針の変更ではありませんが、Geminiが利用者に関する情報を蓄積する仕組みがあることを改めて確認する機会としてください。業務でGeminiを使用している事務所では、設定画面でメモリー機能の状態を確認しておくことをお勧めします。

今週は、利用規約・プライバシーポリシーの実質的な変更は各社ともありません。


この観測は何を・なぜチェックしているのか(毎回掲載)

本レポートは、主要AIサービスの公式ページのうち、業務利用の可否判断に
直結する条件が書かれているページ
を毎週機械的に取得し、前回の内容と
一言一句を比較して「変わったかどうか」を検出しています。
見ているのは主に次の観点です。

  • 入力データの学習利用: 打ち込んだ内容がAIの学習に使われるか。
    顧客情報を扱う士業・企業にとって最重要の条件です
  • データの保持・削除: 入力内容がどれだけの期間、事業者側に残るか
  • 法人向けのデータ保護: 一般向けと法人向けで扱いがどう違うか
  • 第三者認証: SOC 2やISO 27001/42001など、外部監査を受けている
    かどうか。事業者の「自称安全」ではない裏付けです
  • 委託先(サブプロセッサ): 入力データに触れうる外部業者の一覧。
    ここが増減した=データの流れが変わった可能性があります
  • 透明性レポート: アカウント停止件数や法執行機関への対応など、
    事業者の運用姿勢を示す開示情報です

ポリシーページの文言が変わるということは、利用条件そのものが
変わった可能性がある
ということです。各社は変更を大々的には
告知しないことが多いため、機械的な定点観測に価値があります。
なお「変更あり」には誤字修正やデザイン変更も含まれるため、
重要そうな変更は必ずリンク先の原文でご確認ください。

監視対象ページ一覧


本レポートは、各社公式ページの本文を機械的に取得して前回分と比較し、AIが差分を要約する実験企画「AIセキュリティ定点観測」です。人間の校閲を経ていないため、要約に誤りを含む可能性があります。利用判断の際は必ず本文中のリンク先(公式ページ)をご確認ください。