猫と手裏剣

AIサービス プライバシー・セキュリティ定点観測レポート(2026年10月19日)


今週の巡回結果サマリー

サービス ページ 状態
ChatGPT (OpenAI) エンタープライズプライバシー 変更あり
ChatGPT (OpenAI) セキュリティとプライバシー 変更あり
ChatGPT (OpenAI) ビジネスデータの取扱い 変更あり
ChatGPT (OpenAI) プライバシーポリシー 変更あり
Gemini (Google) Geminiアプリ プライバシーハブ 変更あり
Gemini (Google) Workspace生成AI プライバシーハブ 変更あり
Gemini (Google) アクティビティの管理・削除 変更あり
Claude (Anthropic) プライバシーポリシー 変更あり
Claude (Anthropic) プライバシーセンター 変更なし
Claude (Anthropic) プライバシー・法務ヘルプ記事一覧 変更あり
Claude (Anthropic) Trust Center 変更あり
Claude (Anthropic) 透明性ハブ 変更あり
Microsoft 365 Copilot データ・プライバシー・セキュリティ 変更なし
Microsoft 365 Copilot Copilot Chatのプライバシーと保護 変更なし
Microsoft 365 Copilot エンタープライズデータ保護 変更なし

各サービスの変更内容と実務への影響

ChatGPT (OpenAI) ― 4ページ共通

エンタープライズプライバシー・セキュリティとプライバシー・ビジネスデータの取扱い・プライバシーポリシーの4ページすべてで、ページ内のリンクテキストが「OpenAI Status」から「OpenAI の稼働状況」に変わっています。稼働状況確認ページへの案内リンクの日本語表記を統一したものとみられます。

実務への影響:なし。 内容・方針の変更ではなく、表示文言の日本語化・統一です。


Gemini (Google) ― プライバシーハブ

Geminiアプリ プライバシーハブは、更新日が2026年10月13日付となり、複数箇所で実質的な変更が確認されています。主な点を整理します。

「Gemini Spark」が「Tasks in Gemini」に改称

ベータ機能として提供されていた「Gemini Spark」が、正式に「Tasks in Gemini(タスク機能)」という名称に変わりました。機能の内容そのものに大きな変更は読み取れませんが、名称変更に伴い説明文全体が書き改められています。

メモリ機能の説明が追加

「Gemini が記憶している情報の管理や回答のカスタマイズを行うにはどうすればよいですか?」という新しいQ&Aが加わりました。Geminiが会話から「事実・興味・好み」を記憶し、次回以降のチャットに活かせる旨が説明されています。

データ共有・保存に関する表現の調整

タスク機能を使う際に第三者と共有される可能性のあるデータの説明(名前・住所・機密情報とみなすデータを含む可能性がある旨)は、前回から変わっていません。ただし文章が全体的に平易な表現に整理されています。

実務への影響:軽微。 機能の実態よりも名称・説明文の整備が中心です。ただし、Geminiアプリで「タスク機能」を利用している場合、機密性の高いデータがリモートブラウザ経由で操作されうる点は従来から変わらず存在します。顧問先の財務情報や個人情報をGeminiのタスク機能に触れさせないよう、引き続き注意してください。


Workspace生成AI プライバシーハブは、最終更新日が2026年10月11日から10月15日に更新されていますが、差分から具体的な本文の変更内容は読み取れませんでした。表記の微修正程度とみられます。

アクティビティの管理・削除は、ページ内に「Google の Gemini アプリ ユーザー ガイドライン」へのリンクが追加されています。内容・方針の変更ではありません。


Claude (Anthropic)

プライバシーポリシー・透明性ハブ

両ページで「Claude for Google Workspace」への言及が追加されています。Google WorkspaceとClaudeを連携させる新製品・新機能が対象として加わったことを示すものとみられます。

実務への影響:現時点では様子見でよいと思います。 Google Workspace(GmailやGoogleドキュメントなど)をClaudeから操作する形態が正式にサポートされることを示唆しています。今後この機能を利用する場合は、どのデータがAnthropicに送られるかをあらためて確認する必要が出てきます。

プライバシー・法務ヘルプ記事一覧

記事タイトルが「Online Safety Contacts」から「Point of Contact for Authorities and Regulators(当局・規制機関向け窓口)」に変更されています。内容の実質的な変更かどうかは差分からは判断できませんが、名称が整理されたものとみられます。

Trust Center

2点、注目すべき変更があります。

  1. サブプロセッサー(委託先)の追加(2026年10月14日付)
  2. Parallel Web Systems:ウェブ検索機能の提供(Claude for Governmentを除く全製品が対象)
  3. hCaptcha(Intuition Machines, Inc.):ボット検出・不正防止(Claude for Governmentを除く全製品が対象)

サブプロセッサーとは、Anthropicがデータ処理を委託している外部事業者のことです。Claudeに入力したデータに関わる委託先が増えたことを意味します。

  1. Claude Haiku 5.5のモデルドキュメントが追加、これに伴いClaude Opus 4.8のドキュメントがリストから外れています(削除ではなく「もっと見る」で参照可能な状態になったものとみられます)。

実務への影響:軽微ですが、把握しておいてください。 サブプロセッサーの追加は、データの流れが変わることを意味します。特にAnthropicとデータ処理契約(DPA)を締結している事業者は、契約上の確認が必要になる場合があります。通常の個人利用・小規模利用の範囲では、直ちに対応が求められるものではありません。


Microsoft 365 Copilot

今週は監視対象の3ページすべてで変更なしでした。


総評

今週は、利用者が今すぐ対応を迫られるような重大な変更は確認されませんでした。

ただし、2点だけ頭の片隅に置いておいてください。

  • GeminiのタスクモードとClaudeのサブプロセッサー追加は、いずれも「AIがより多くのデータに触れ、より多くの委託先を経由する」方向への動きです。財務情報・顧客情報を扱う私たちの立場では、これらの機能を業務で使う前に「何を入力するか」を慎重に判断する姿勢を続けてください。
  • Claude for Google Workspaceの登場は今後の動向を注視すべき変化です。Google WorkspaceとClaudeが連携する環境が広がる場合、データの取扱いについて改めて確認が必要になってきます。続報を追っていきます。

この観測は何を・なぜチェックしているのか(毎回掲載)

本レポートは、主要AIサービスの公式ページのうち、業務利用の可否判断に
直結する条件が書かれているページ
を毎週機械的に取得し、前回の内容と
一言一句を比較して「変わったかどうか」を検出しています。
見ているのは主に次の観点です。

  • 入力データの学習利用: 打ち込んだ内容がAIの学習に使われるか。
    顧客情報を扱う士業・企業にとって最重要の条件です
  • データの保持・削除: 入力内容がどれだけの期間、事業者側に残るか
  • 法人向けのデータ保護: 一般向けと法人向けで扱いがどう違うか
  • 第三者認証: SOC 2やISO 27001/42001など、外部監査を受けている
    かどうか。事業者の「自称安全」ではない裏付けです
  • 委託先(サブプロセッサ): 入力データに触れうる外部業者の一覧。
    ここが増減した=データの流れが変わった可能性があります
  • 透明性レポート: アカウント停止件数や法執行機関への対応など、
    事業者の運用姿勢を示す開示情報です

ポリシーページの文言が変わるということは、利用条件そのものが
変わった可能性がある
ということです。各社は変更を大々的には
告知しないことが多いため、機械的な定点観測に価値があります。
なお「変更あり」には誤字修正やデザイン変更も含まれるため、
重要そうな変更は必ずリンク先の原文でご確認ください。

監視対象ページ一覧


本レポートは、各社公式ページの本文を機械的に取得して前回分と比較し、AIが差分を要約する実験企画「AIセキュリティ定点観測」です。人間の校閲を経ていないため、要約に誤りを含む可能性があります。利用判断の際は必ず本文中のリンク先(公式ページ)をご確認ください。