猫と手裏剣

謹賀新年

2024年賀

新年明けましておめでとうございます。

世の中猫も杓子もデジタル化の時代になりましたが、その一方で、大事なものが置き去りにされたまま、単に紙を電子に置き換えれば全ての問題が解決してハッピーになれるといった、危うい方向性の議論が散見されます。デジタルを商売にして儲けようとしている立場にある者の発言であれば営業トークよろしく企業努力のひとつの形だということでまだ容認され得る余地はあるのかも知れませんが、他者の情報(データ)を預かる立場にある者や政策の立案に携わる立場にある者がそんな営業トークを真に受けていてはいけないのは言うまでもありません。

デジタル化の時代には情報(データ)が非常に重要な意味を持ちます。情報(データ)は、価値のある財貨であり、漏洩したり、集積されて、管理支配目的などに利用されると、生命、財産、生活、に重大な脅威を与えるものですが、そういった認識がなく、紙の時代の感覚で情報(データ)を扱う人が民にも官にも少なからず存在していることは、今後大きな問題を引き起こす原因になりかねません。

情報(データ)の重要性と危険性を知ること。情報主権とは何かを知ること。

それが、急速なデジタル化の進展にあたり、本当は一番最初に国民に周知し、考えてもらい、納得してもらわなければならないことです。

その上で、デジタル化を進める、というか、本当に必要なのは、単なるデジタル化ではなく、DX、デジタルトランスフォーメーションであるし、なんとなれば、デジタル化は必須のものではなく、DXのXの方、「変革」こそが今の時代に必要なのであって、デジタル化はあくまでも、その変革を起こすための数ある手段のうちのひとつに過ぎないのだ、ということをしっかりと国民に伝えることが大事です。

その上で、最近流行の生成AI、文章や画像や動画や音声や音楽などを自動生成してくれるけれども、平気でうそをつく癖(ハルシネーション)がある、「あほ(Aho)でいいかげん(Iikagen)」なAI、を道具としてしっかり使いこなすことと、その先にあるAGI(強いAI、人間と同レベルに思考できる汎用人工知能)、あるいはさらにその先に登場すると言われている超AI(人間を超越したレベルで思考できるAI)を、コントロールする手法なども今現在すでに研究がはじまっていることなど、AIに関する正しい認識や知識を国民に対して啓蒙することも国策としては急務なのではないかと思っているところです。

というわけで、本年もどうぞよろしくお願い致します。m(_ _)m


-追伸-

夕刻から能登の震災のニュースが流れておりますが、被災された皆様には心よりお見舞い申し上げますとともに、ご無事を心よりお祈り申し上げます。阪神淡路大震災に被災した際の強烈な思いがよみがえってきました。